夫の育休で、世帯の手取りは増える?減る?
月給と育休の日数を入れると、夫が育休を取った場合と取らなかった場合で、世帯の手取りがいくら変わるかを出します。共働きなら増えることもあります。理由も内訳で出します。
ふたりの数字を入れる
産休・育休の給付は、雇用保険と健康保険に入っている人にだけ出ます
夫が28日の育休を取ると、取らなかった場合と比べて世帯の手取りは
40,289円 増える
28日の育休1回ぶんの合計です。毎月かかる差ではありません
夫の月給は手取り10割の範囲内です(上限 483,300円)
なぜ増えるのか
育休の給付は非課税で、休業中は社会保険料も免除されます。 だから額面では8割でも、引かれるものがないぶん手取りではほとんど減りません。さらに夫が14日以上取ると、妻の給付にも13%が上乗せされます。
- 夫の分(給付 − その日数の給与手取り)
- +3,889円
- 妻の分(13%の上乗せ)
- +36,400円
- 合計
- +40,289円
- 夫の育休給付
- 261,333円
- 妻の育休給付
- 1,887,400円
- 妻の出産手当金
- 653,333円
育休でもらえる額の決まり方
| 項目 | 金額・条件 |
|---|---|
| 育児休業給付金(通算180日目まで) | 賃金日額の67% |
| 育児休業給付金(181日目以降) | 賃金日額の50% |
| 出生後休業支援給付金 | 13%上乗せ・最大28日 |
| 上乗せの要件 | 両親ともに育休14日以上 |
| 休業開始時賃金日額の上限 | 16,110円(令和7年8月1日改定) |
| 休業開始時賃金日額の下限 | 3,014円(同) |
| 手取り10割に届く月給の上限 | 483,300円 |
| 支給上限額(67%のとき) | 323,811円 |
| 支給上限額(50%のとき) | 241,650円 |
| 上乗せの対象期間(父) | 子の出生後8週間以内 |
| 上乗せの対象期間(母) | 産後休業後8週間以内 |
| 出産手当金 | 標準報酬日額の3分の2 |
| 産前産後休業の日数 | 産前42日・産後56日 |
| 産休・育休中の社会保険料 | 本人負担・事業主負担とも免除 |
| 給付金・手当金の課税 | 非課税 |
| 出産育児一時金(別制度・計算外) | 1児につき50万円 |
この計算の前提
- 育児休業給付金は、休業開始時賃金日額(月給の30分の1)に給付率をかけて計算しています。給付率は通算180日目まで67%、181日目以降50%です。
- 出生後休業支援給付金は、両親ともに14日以上の育児休業を取得した場合に、最大28日間13%を上乗せするものとして計算しています。母親は産後休業がこの要件に当たる扱いです。夫の育休が14日未満だと、夫婦どちらの上乗せも付きません。
- 休業開始時賃金日額には上限と下限があり、令和7年8月1日改定で上限16,110円・下限3,014円です。上限を月給に直すと483,300円で、これを超える分は給付に反映されません。上限額は毎年8月1日に改定されます。
- 出生後休業支援給付金の対象期間は、父親が子の出生後8週間以内、母親が産後休業後8週間以内です。この計算では、育休を出生直後から続けて取る前提を置いており、分割して取得した場合は結果が変わります。
- 出産手当金は、産前42日・産後56日について標準報酬日額の3分の2として計算しています。標準報酬月額は等級で決まりますが、ここでは入力された月給をそのまま使い、健康保険の標準報酬月額の上限1,390,000円だけを反映しています。出産手当金は健康保険の制度なので、雇用保険の日額上限は適用されません。
- 給付金・手当金は非課税で、産休・育休の期間は社会保険料も免除されます。額面では8割でも手取りではほとんど減らないのはこのためです。
- 賞与は計算に含めていません。賞与は給付の算定基礎に入らず減額もされませんが、育休中に支給されるかは勤務先によって異なるためです。
- 「妻は働いていない」を選んだ場合、出産手当金と妻の育児休業給付は出ないものとして計算します。どちらも雇用保険・健康保険の被保険者にだけ支給されるためです。ただし出生後休業支援給付金の配偶者要件は「配偶者が無業者」の場合に免除されるので、夫の13%上乗せは残ります。
- 出産育児一時金(1児につき50万円)は計算に含めていません。分娩費用に充てるもので、多くは直接支払制度で医療機関へ支払われます。出産手当金とは別の制度です。夫が育休を取っても取らなくても同額なので、このページが出す差額には影響しません。
- 給与の手取りは給与所得者を前提に、所得税・住民税・社会保険料を簡易計算しています。扶養や各種控除は反映していません。
- 概算です。実際の支給額はハローワーク・健康保険組合の審査によります。特定の働き方を推奨するものではありません。
出典
- ハローワーク「出生後休業支援給付金・育児時短就業給付金の創設について」(令和7年4月1日)
- 厚生労働省「育児休業等給付の支給限度額」(令和7年8月1日〜)
- 全国健康保険協会「出産手当金」
- 厚生労働省「出産育児一時金等について」
最終更新:
よくある質問
育休で手取り10割になるのは誰ですか?
休業開始前の月給が483,300円までの人です。育児休業給付金67%に出生後休業支援給付金13%が上乗せされて額面の80%になり、給付が非課税で社会保険料も免除されるため、手取りではおおむね元の水準に届きます。ただし給付の計算に使う休業開始時賃金日額には16,110円という上限があり(令和7年8月1日改定)、月給に直すと483,300円です。これを超える分は給付に反映されないため、月給が483,300円を超える人は額面80%にも届かず、手取り10割にもなりません。
夫が育休を取ると、世帯の手取りは増えるのですか?減るのですか?
共働きで28日以内なら、増えることがあります。理由は2つあります。ひとつは、育休の給付が非課税で休業中は社会保険料も免除されるため、額面80%の給付でも手取りでは給与とほとんど変わらないこと。もうひとつは、夫が14日以上取ることで妻の給付にも13%が上乗せされることです。増える分の大半は後者から来ます。ただし夫の月給が483,300円を超えると給付が上限で頭打ちになり、減る側に転じます。29日目からは67%、181日目からは50%に下がるので、長く取るほど減る方向に動きます。
出産すると50万円もらえると聞きましたが、それは含まれていますか?
含まれていません。それは出産育児一時金で、このページが計算している出産手当金とは別の制度です。出産育児一時金は1児につき50万円が一度だけ出るもので、多くは直接支払制度で医療機関に支払われ、分娩費用に充てられます。一方の出産手当金は、産休で働けなかった期間の収入の穴埋めとして、産前42日・産後56日について標準報酬日額の3分の2が出ます。出産育児一時金は夫が育休を取っても取らなくても同額なので、このページが出す差額には影響しません。
妻が専業主婦でも、夫は育休の上乗せをもらえますか?
もらえます。出生後休業支援給付金は原則として両親ともに14日以上の育児休業が必要ですが、配偶者が無業者の場合は配偶者側の取得要件が免除されます。そのため夫が14日以上取れば13%の上乗せは付きます。ただし妻には出産手当金も育児休業給付も出ないため、妻側に上乗せされる給付がありません。世帯の手取りは共働きほど増えず、おおむね「変わらない」に近づきます。
夫が育休を取らないと、妻の給付はどうなりますか?
減ります。出生後休業支援給付金は両親ともに14日以上の育児休業を取ることが支給要件なので、夫が取らない、あるいは13日以下で終えると、妻の側の13%の上乗せも付きません。夫の判断が妻の受取額を動かします。
育休中に社会保険料は引かれますか?
産前産後休業と育児休業の期間は、健康保険料・厚生年金保険料の本人負担分と事業主負担分がどちらも免除されます。免除された期間も、将来の年金額の計算では保険料を納めたものとして扱われます。給付金自体も非課税なので、額面の8割が手取りではほぼ全額残ります。
産休中はいくらもらえますか?
健康保険から出産手当金が出ます。産前42日・産後56日について、標準報酬日額の3分の2です。雇用保険から出る育児休業給付金とは別の制度で、育休の給付だけを見ていると産休期間の収入を丸ごと見落とします。
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