世帯年収600万円台で、夫が育休を半年・1年取ったら、住宅ローンのある家計はどう変わる?
この世帯は架空です。数字はLifevaneのライフプランと同じ計算で出しています。
夫35歳・妻33歳、子どもは3歳。今年、中古マンションを買って住宅ローンを返し始めた、架空の共働き世帯です。世帯年収は640万円。来年の夏に第2子が生まれ、妻は産前産後休業と育休に入ります。夫が育休を取るかどうか、取るなら半年か1年かを、決める前に考えています。
この記事の要点
世帯年収640万円で、今年、住宅ローンを組んで中古マンションを買った共働きの世帯です。来年、第2子が生まれ、妻は産前産後休業と育休を合わせて約13か月取ります。夫が育休を取らない・半年・1年のどれにするかで、30年分の家計がどう変わるかを、育休給付の決まりを入れて計算しました。妻の休業の2年間の年間収支は、夫が取らなければほぼ釣り合い、半年で1年、1年で2年続けて赤字になります。手元資金はどの案でもマイナスにならず、いちばん少ない年でも251万円です。
- 夫が育休を取らない場合、妻が休む夫36・37歳の年間収支は+8万円と+1万円で、赤字にはなりません
- 夫が半年取ると、夫の手取りは25万円減り、夫36歳が−15万円の赤字になります。手元資金は、いちばん少ない夫36歳でも311万円残ります
- 夫が1年取ると、手取りは82万円減り、夫36・37歳が2年続けて赤字(−15万円・−60万円)になります。手元資金は夫37歳に251万円まで減りますが、マイナスにはなりません
どの取り方がよいかは書いていません。育休の長さは、仕事や子どもの状況、この差をどう受け止めるかで、ふたりが話し合って決めることです。なお、第2子の0〜2歳の保育料は入れていません。入れると、どの案も年間収支は下がります。
2026年9月21日時点の最新公表資料を確認済み
令和6年財政検証の経済前提、育児休業給付・出生後休業支援給付金・出産手当金の決まり(4本目と同じ計算)、令和6年分の民間給与実態統計調査の給与階級別の賞与の割合、厚生労働省の就業規則における賞与の扱いと雇用均等基本調査の男性の育休期間、令和8年入居の既存住宅の住宅ローン減税、フラット35利用者調査2025年度の首都圏の中古マンション、家計調査2025年・家計の金融行動に関する世論調査2025年の水準を一次資料と照合し、育休の年の収入を手取りが同じになる額面に置き換えたうえで、退職年齢から給与0円となるLifevaneと同じ計算で30年分を出しています。
この世帯
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 家族 | 夫35歳・妻33歳、子ども3歳。来年の夏に第2子が生まれる予定(架空の世帯) |
| 住まい | 首都圏の中古マンション。今年、3,700万円で購入し、住宅ローンの返済を始めた |
| 年収 | 夫380万円・妻260万円(ふたりとも会社員) |
| 購入の内訳 | 頭金17%。収入合算で、借入の持分は夫60%・妻40% |
| 育休の予定 | 妻は産前産後休業と育休を合わせて約13か月。夫は、取らない・半年・1年のどれにするか考えている |
| 資産 | 預金300万円、NISA100万円(毎月2万円)。頭金を払った直後 |
夫は育休を取らない場合
妻だけが産前産後休業と育休を取る場合です。第2子は夫36歳の年の7月1日に生まれ、妻は産前産後の98日と、そのあと子が1歳になる前日までの309日を休みます。この間の収入は、出産手当金と育児休業給付金(最初の180日は賃金の67%、そのあとは50%)で、どちらも非課税です。休業中は社会保険料も免除されますが、賞与は休んだ日数ぶん出ないと置いているので、手取りは、2年間で妻が54万円減ります。
世帯の年収は640万円、住宅ローンの返済は月9.7万円、生活費は月28万円(住居費・教育費を除く)です。妻が休む夫36歳の年間収支は+8万円、夫37歳は+1万円で、赤字にはなりません。手元資金は夫37歳の年末に335万円です。
この比較で使った「育休で収入が変わる年(収入の段階)」や「収入の伸び率」の入力は、Lifevane Premiumの機能です。
| 夫は 取らない | |
|---|---|
| 夫36歳の年間収支 | +8万円 |
| 夫37歳の年間収支 | +1万円 |
| 夫の手取りの減り(2年間) | — |
| 妻の手取りの減り(2年間) | 54万円 |
| 手元資金の最少 | 夫35歳 326万円 |
| 夫65歳終了時の金融資産 | 3,117万円 |
夫が半年取ると
夫が出産日の7月1日から12月31日までの184日、育休を取る場合です。夫の月給(給料・手当)は約28.5万円で、給付はその67%の月約19.1万円です(最初の28日は出生後休業支援給付金の13%が上乗せされて80%)。月給が約49.6万円を超えると給付は頭打ちになりますが、この世帯は届きません。給付は非課税で社会保険料も免除ですが、賞与は休んだ日数ぶん出ないと置いているので、夫の手取りは25万円減ります。夫が14日以上取ると、妻の給付にも出生後休業支援給付金の上乗せがつき、妻の給付は約2万円増えます。
夫36歳の年間収支は−15万円で、赤字になります。夫37歳は+1万円に戻り、手元資金がいちばん少ないのは夫36歳の年末の311万円です。マイナスにはなりません。
| 夫は 取らない | 夫が 半年 | |
|---|---|---|
| 夫36歳の年間収支 | +8万円 | −15万円 |
| 夫37歳の年間収支 | +1万円 | +1万円 |
| 夫の手取りの減り(2年間) | — | 25万円 |
| 妻の手取りの減り(2年間) | 54万円 | 51万円 |
| 手元資金の最少 | 夫35歳 326万円 | 夫36歳 311万円 |
| 夫65歳終了時の金融資産 | 3,117万円 | 3,094万円 |
夫が1年取ると
夫が7月1日から翌年6月30日までの365日、育休を取る場合です。給付は181日目から賃金の50%(月約14.3万円)に下がります。夫の手取りは、2年間で82万円減ります。
夫36歳の年間収支は−15万円、夫37歳は−60万円で、2年続けて赤字になります。手元資金は夫37歳の年末に251万円まで減り、これが夫65歳までのいちばん少ない額です。マイナスにはなりません。
| 夫が 半年 | 夫が 1年 | |
|---|---|---|
| 夫36歳の年間収支 | −15万円 | −15万円 |
| 夫37歳の年間収支 | +1万円 | −60万円 |
| 夫の手取りの減り(2年間) | 25万円 | 82万円 |
| 妻の手取りの減り(2年間) | 51万円 | 51万円 |
| 手元資金の最少 | 夫36歳 311万円 | 夫37歳 251万円 |
| 夫65歳終了時の金融資産 | 3,094万円 | 3,033万円 |
3つの案に共通する山:子どもの大学
上の子の大学入学から下の子の卒業までの夫51〜58歳は、3つの案のどれでも年間の収支が赤字になります。上の子の在学は夫51〜54歳、下の子は夫55〜58歳で、重ならずに続きます。この8年間の赤字の合計は、夫は取らないで267万円、夫が半年で267万円、夫が1年で267万円で、どの案でも同じです。
違うのは、この山に入る前の手元資金です。夫50歳の年末は、夫は取らないで688万円、夫が半年で665万円、夫が1年で604万円です。手元資金はどの案でもマイナスにならず、大学期にいちばん少ない額は、夫は取らないで421万円、夫が半年で398万円、夫が1年で337万円です。
| 夫は 取らない | 夫が 半年 | 夫が 1年 | |
|---|---|---|---|
| 夫50歳末の手元資金 | 688万円 | 665万円 | 604万円 |
| 夫51〜58歳の赤字の合計 | 267万円 | 267万円 | 267万円 |
| 大学期の手元資金の最少 | 夫58歳 421万円 | 夫58歳 398万円 | 夫58歳 337万円 |
| 夫65歳終了時の金融資産 | 3,117万円 | 3,094万円 | 3,033万円 |
ふたりが確認したこと
- 勤め先の賞与が、育休の期間にどう扱われるか(この記事は、休んだ日数ぶん出ない前提で計算しています)
- 夫の育休を、出産直後の数か月と、半年以降のどちらまで取るか。給付は181日目から賃金の50%に下がります
- 育休の年に手元資金がいちばん少なくなる時期に、いくら残しておきたいか
- 妻の復職の時期と、保育園に入れる時期(復職が遅れると、収入が戻る時期も遅れます)。第2子の0〜2歳の保育料は、この記事の計算には入っていません
- 夫の月給が給付の上限(月給約49.6万円)を超える場合に、手取りの減り方がどう変わるか
30年分の年次表
Lifevaneのアプリと同じ年次表です。収入・支出・資産残高を1年ずつ確かめられます。
年次表を開く(3つの案を切り替えられます)
この計算の前提
- 物価上昇率は年0.8%、賃金の伸びは年1.3%(令和6年財政検証の「過去30年投影ケース」)。
- 住宅は夫35歳の年(今年)に3,700万円の中古マンションを購入。頭金17%、諸費用7%を借入に含め、35年・金利1.2%で完済まで一定。今のローン残高は3,314万円、毎月の返済は約9.7万円。収入合算で、持分は夫60%・妻40%。
- 住宅ローン控除は、令和8年入居の既存住宅(長期優良・低炭素・ZEH水準・省エネ基準適合に当たらない「その他住宅」)として、借入限度額2,000万円・10年間、持分に応じて各人の税から差し引く簡易計算。
- 生活費は住居費・教育費を除いて月28万円(家計調査の4人世帯・年収650〜800万円の水準。範囲の中ほど)。住宅の維持費は年40万円。教育費はLifevaneの標準値。
- 年収は夫380万円・妻260万円で、給料・手当と賞与に分けています(給料・手当の割合は夫90.1%・妻93.5%。国税庁の同じ年収階級の平均)。賞与は、休んだ日数ぶん出ないと置いています。
- 第2子は夫36歳の年の7月1日に生まれる。妻は産前産後休業98日(出産手当金は標準報酬日額の2/3)と、育休309日。夫は7月1日から。給付の計算は、4本目の「夫の育休で、世帯の手取りは増える?減る?」と同じです。
- 給付は非課税で、休業中は社会保険料も免除されます。アプリは「育休中の年収」にも税・社会保険料をかけるので、育休の年の年収は、手取りがアプリの計算で同じになる額面に置き換えて入れています(夫が半年の年は347万円)。
- 預金300万円(利息0%)、NISA100万円に毎月2万円を積み立て、運用利回りは年3%。
- 年金は、育休の影響を入れない収入での自動推計(育休中は保険料が免除され、年金の算定は休業前の報酬)。ふたりとも64歳まで厚生年金に加入し、65歳から受給。退職金は夫700万円・妻200万円。
この計算に入っていないこと
- 第2子の0〜2歳の保育料(住民税が課税される世帯は有料で、自治体によって違います)は入れていません。教育費の標準値が幼児期を4歳から数えるためです。妻が復職して保育園に預けると、どの案も年間収支は下がります。
- 住民税は前年の所得に対して翌年に払いますが、アプリは同じ年の収入から計算しています。育休の翌年に残る負担は、実際のほうが遅れて出ます。
- 賞与の扱いは勤め先で違います。休んだ日数ぶん出ない前提で計算し、育休中も満額出る会社の場合は、前提の欄に出しています。
- 手元資金が足りない年も、NISAを自動では取り崩しません。教育ローンや奨学金も入れていません。
- 出産にかかる費用(出産育児一時金と自己負担)も入れていません。
- 復職後の時短勤務や昇給・昇進の変化、育休を分けて取る場合(出生時育児休業など)は入れていません。夫は出産日から続けて取る前提です。
- 金利が借入の途中で変わる計算はしていません。物価・給与の将来は予測していません。税・社会保険は現行制度のままです。
- この世帯の夫の月給は約28.5万円で、給付の上限(月給約49.6万円)に届きません。月給が上限を超える世帯では、給付が頭打ちになり、手取りの減り方が大きくなります。
前提を変えた場合
| 前提 | 夫は 取らない | 夫が 半年 | 夫が 1年 |
|---|---|---|---|
| 本文の前提 | 0年 326万円 | 1年 311万円 | 2年 251万円 |
| 賞与が育休中も満額出る会社なら | 0年 326万円 | 0年 326万円 | 1年 297万円 |
| 生活費が月27万円なら | 0年 338万円 | 1年 335万円 | 2年 287万円 |
| 生活費が月29万円なら | 2年 107万円 | 2年 84万円 | 2年 23万円 |
| 金利が全期間1.5%なら | 1年 279万円 | 2年 255万円 | 2年 194万円 |
| 金利が全期間2.0%なら | 2年 41万円 | 2年 17万円 | 2年 −44万円 |
各欄の上段は、育休の2年間(夫36・37歳)に年間収支が赤字になる年数(0年なら赤字にならない)、下段は夫65歳までの手元資金の最少(マイナスなら手元資金が足りない年がある)です。生活費の行は、月28万円を1万円ずつ動かした場合で、どちらも家計調査の範囲(26.1〜29.5万円)の中ですが、結果は変わります。賞与の行は、育休中も賞与が満額出る会社の場合です。金利の行は、借入時から完済まで全期間その金利だった場合で、実際の変動金利は途中から上がるため、この表は早い時期の負担を大きめに見せています。
出典
- 厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」(令和8年8月1日改訂版)
- ハローワーク「出生後休業支援給付金・育児時短就業給付金の創設について」(令和7年4月1日)
- 全国健康保険協会「出産手当金」
- 厚生労働省「就業規則における育児・介護休業等の取扱い」
- 厚生労働省「令和6年度育児休業取得率の調査結果(雇用均等基本調査)のポイントについて」
- 国税庁「民間給与実態統計調査」令和6年分
- 総務省統計局「家計調査」
- 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
- 住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」
- 国土交通省「住宅ローン減税 既存住宅を取得する」(令和8年度税制改正)
- 厚生労働省「令和6(2024)年財政検証結果レポート」
- 厚生労働省「就労条件総合調査」
同じ比べ方を、自分たちの数字で。
Lifevaneは、夫婦ふたりで同じプランを編集できるライフプランです。住宅・教育費・働き方・老後を、ひとつの年表でつなげて見られます。
この比較で使った「育休で収入が変わる年(収入の段階)」や「収入の伸び率」の入力は、Lifevane Premiumの機能です。
無料でライフプランを作るまずはひとりでOK。あとからパートナーを招待できます。
よくある質問
夫が育休を半年・1年取ると、世帯の手取りはどれくらい減る?
育休中の給付は非課税で、休業中は社会保険料も免除されるので、給与がそのまま減る額より手取りの減りは小さくなります。ただし賞与は、休んだ日数ぶん出ないと置いています。給付は181日目から賃金の50%に下がるため、1年は半年の3倍以上の手取りが減ります。夫の月給が約49.6万円を超えると給付が頭打ちになり、減り方はさらに大きくなります。このモデルケースの夫は上限に届きません。手取りが何万円減るかは、本文の章ごとの表に載せています。
育休中の給付は、手取りのどれくらい?
育児休業給付金は賃金の67%(181日目からは50%)で、最初の28日は出生後休業支援給付金の13%が上乗せされて80%になります。給付は非課税で、休業中は社会保険料も免除されるため、額面の率より手取りの率は高くなります。給付には賃金日額の上限があり、月給が約49.6万円を超えると頭打ちになります。
夫が育休を取ると、妻の給付も変わる?
出生後休業支援給付金の上乗せは、両親ともに14日以上の育休を取ると受けられます。妻の産後休業中は夫の要件が免除されるので、夫の上乗せは夫の日数だけで決まり、妻の上乗せは夫が14日以上取るかで決まります。このモデルケースでは、夫が14日以上取ると妻の給付が少し増えますが、家計への影響は小さい額です。
賞与は育休中も出る?
勤め先によります。厚生労働省は、賞与の算定で休業した期間を日割りで算定対象期間から控除することは、不利益な取扱いに当たらないとしています。このモデルケースは、休んだ日数ぶん賞与が出ないと置いています。育休中も満額出る会社の場合は、ページ下の「前提を変えた場合」に載せています。
育休を取ると、貯金はなくなる?
このモデルケースの世帯(預金とNISAで400万円、頭金を払った直後)では、夫が1年取っても手元資金はマイナスになりませんでした。ただし、生活費が月1万円増えると夫が取らなくても育休の2年間は赤字になり、金利が全期間2.0%だと夫が1年取る案で手元資金がマイナスになります。手元資金がいくら残るかは、育休の前の余裕と毎月の固定費で決まります。
男性の育休は、どれくらいの期間取る人が多い?
厚生労働省の雇用均等基本調査では、育休を終えて復職した男性の期間は、1か月未満が58.1%、1〜3か月未満が28.0%、3〜6か月未満が7.5%、6か月以上が6.4%(うち12か月以上は1.6%)でした(令和5年度)。このモデルケースの半年と1年は、そのうち長い側の取り方です。
この世帯は実在する?
実在しない架空の世帯です。年収・住宅・生活費・資産などは、同じ年収帯の公的統計を参考に置き、数字はLifevaneのライフプランと同じ計算で出しています。


